青い高架線

ほどきたいよ、赤い糸

「#NAME1#のパダワンにソレスの基礎を学ばせるなら、まずは瞑想を極めさせることだな」

オビ=ワンは顎髭を撫でながら、穏やかに教えてくれた。

結局あのあと私のパダワンは、「やっぱりマスターケノービのフォームは綺麗で格好いい!」と熱を上げ、シエンどころかソレスへの志向を強めていった。いや、それはいい。別にいいのだが。

問題は遠慮という概念を持ち合わせていないことである。

「今日もお願いしてきてくださいよ、マスター!マスターケノービなら絶対、僕にフォームⅢを伝授してくれるはずです!」

「お前のマスターは私なんですが」

「それはそうなんですけど。でも、マスターケノービは正統派の代表ですから。師範から学びたいっていうのは自然な欲求であって」

このパダワン、礼儀正しい口調で無礼を働くのが天性の才能だ。なんなんだ。もうパダワンだのジェダイだのよりも、そのずぶとさを活かせるような、そういう職業に就け。

額に青筋が浮かぶが、私は深呼吸して自制する。冷静に。マスターらしく。

「にしても頻度が……。オビ=ワンだって暇じゃないんだぞ」

「だってマスターはマスター自身のフォームなかなか教えてくれないじゃないですか!イニシエイト、そしてパダワンの過程で僕はフォームⅠを習得はしたのに、マスターはいつまで経ってもあなた自身のフォームを教えてくれない……」

パダワンはよよよと泣くように額に手を当ててしなを作る。

「いやだって、それはさ……ほら、私のは正統派じゃないし不格好だし。変な癖がつくと困るくないか」

バツが悪そうに首の後ろをかく。

そもそも私のフォームは教えられるほどのものでもない。私の型はフォームⅣ、つまりアタルの型に似ているところはあるものの決して正統派とは言えない。優雅さのかけらもない。伝統的なフォームの名を名乗るのもおこがましい。無骨すぎる。それが自称実践派の今は亡きマスターが私に残したものだ。

当の亡き元マスターといえば、弟子への教育に困っている私を見て、フォースの一部になりながらも草葉の陰から大笑いしているような気もする。

「じゃあ、マスターケノービへの交渉をまたよろしくお願いしますね!」

このパダワンのおかげで私はここ数日、やたらとオビ=ワンと二人で話したり、模擬戦をする機会が増えた。

ありがたいことに彼は嫌な顔ひとつせず、私と弟子の質問に丁寧に答えてくれる。

おかげでパダワンはやる気満々、私は心労増加、という感じだった。

▲top